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普通の電車が走るという素晴らしさ [架空鉄道]

加賀電鉄には、200形というちょっと華やかな車両がいますが、基本的には通勤型の20メートル4ドア車ばかりで構成されています。また、塗装もシャイニングカラーとかいって派手な色塗っていますが、塗り分け自体は手間が最小限になるようなデザインであり、基本的にお金をかけていません。
これは図らずも、加賀電がそれなりに潤っていることを示しています。

JR九州は水戸岡氏の提案したスタイリングを全面的に取り入れたデザインを行っています。これは、鉄道というものにもっと目を向けてもらおうという考え方であり、その施策は九州という地方が「漫然と通勤電車を走らせているだけでは儲からない」ことを示しています。
一方で首都圏の電車は華美な装飾はありません。旅客が押し寄せてくるという特殊事情から、1両でも多く車両を走らせることがサービスだからです。つまり、稼ぎのいい電車をたくさん作る必要があるというわけです。

加賀電は後者です。JR北陸線には521系という転換クロスシートを装備した、サービスレベルの高い電車が走っていますが、それを迎え撃つのはロングシートの100形だったり固定クロスシートの200形です。その代わり日中金沢口で毎時7本を確保、小松口でも毎時6本を確保しています。つまり加賀電は、沿線の旅客を程よく拾っており、普通運賃だけでも儲けが出る程度の旅客がいるわけです。実際JR北陸線は能美市や白山市、野々市市などの市街地から外れたところを走っていますが、加賀電は市街地のど真ん中を貫通しています。したがってJR北陸線ではクロスシートがサービスになりますが、加賀電では乗り降りがしやすい通勤型電車がサービスになるわけです。

ロングシートの電車は転換クロスシートの電車に比べて安く上がります。つまり利益率がよいのです。目玉となるポイントがない平凡な通勤電車が頻繁に走る。これこそが鉄道本来のあるべき姿だと加賀電は考えています。逆に言えば加賀電に妙なスタイリングの電車や派手な設備の電車が走り出したとき、加賀電の経営は傾きかけているともいえるのです。



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