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消えた技術 [架空鉄道]

2012年8月に、加賀電は小松空港まで延長開業します。その際に車両の増備が必要となり、特急用に新300形3両、一般用に130型2両の計5両を製造する予定です。
130型は日立製作所の標準型車両A-TRAINがベースになっていますので特に問題はないのですが、問題は特急用新300形です。この車両は200形とローテーションを組んで使われる関係上、ダブルデッカーの2ドア車となるのですが、日本のメーカーではどうやら作ってもらえそうにないのです。
ダブルデッカーの構造自体は問題ありません。川重でも東急でもダブルデッカーの車両を作っています。しかし、アルミボディで標準車両のガイドラインから外れる鋼体を作るラインをどの会社も持っていないのです。もちろんガイドラインから離れたオーダーメイド車両でも大量発注するなら受注してくれるのですが、いかんせん必要車両数は3連1本。これではどこも受けてくれないのです。

車両製造の効率化が進み、鉄道車両もバスと同じように「需要に合わせた使用の車両をメニューから選ぶ」セミオオーダーもしくはレディメイドになってしまったのです。つまり、新300形は国内では製造できないわけです。
そこで外国に目を向けます。するとスイスのStadler社というメーカーに当たりました。ここはジーメンスやボンバルディア、アルストムなどが受注しないようなニッチな車両を製造するメーカーで、最近はスイス政府からも助成を受けて頑張っています。
スイスは山岳路線が多く、セミオーダーの車両(ボンバルディア・ジーメンス・アルストムでも日本と同じように「メニュー選択方式」が普通です)では用を成さないため、特殊車両を製造するメーカーが生き残る余地があるわけです。
加賀電はStadler社で鋼体を作成し、艤装は国産品を用いるという方針で製造することとしました。中小私鉄に新車が入れづらくなっているのは経済的事情のほかにも、こういった理由があるのでした。

そんなわけで新300形は2012年1月登場予定です。
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