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ハッタリの効能 [架空鉄道]

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 800形はいろいろとスタイリング的に迷走状態が続いたので、とにもかくにもそれなりに形になってほっとしているところです。自分で言うのもなんですが、そこそこサマになってるんじゃないかと思います。200形と並べるとモデリングした当初はずいぶん派手に見えた200形がかなり物足りなく見えるので「スイスらしい華やかさ」の演出はそこそこできたのかなと思っています。
 で、せっかくだからカタログらしきものを作ってみようと思って、側面図と正面図を起こしてみました。ポリゴンだとこんなことも視点変換一発でできてしまうのでたいへん楽ですが、出来上がった画像を見て唖然としました。
 なんじゃこりゃと。

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 俺が必死こいて、レンダリング時間の増加を覚悟して作った三次曲面の先頭部が見事に表現されていないのです。これだけ見るとなんともしょっぱいスタイリングになってしまいました。俺の作風は「眺める」ようにできているのであって「見つめる」ようにはできていないんだなというのをいまさらながらに痛感した次第です。
 逆に言うと俺の場合、風景と視点変化がなかったらビジュアル的には凡百以下の架鉄になってしまうというわけです。
  側面図の世界では極まったドット絵を描く人が何人もいるわけでして、見つめる系のイラストは自分には(根気的に)まず無理なのでただただ尊敬です。

 とにもかくにもとりあえずスタイルは決まった。あとはシステムだな……

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中身のない人ってやたら数字をでかくするよね [架鉄ウォッチ]

京阪電鉄京津線と言う路線があります逢坂山・東山越えによる劣悪な線形を高性能車で克服した、電車好きにはたまらない路線です。悪条件を克服するためにさまざまな工夫を凝らした800系電車は、最高速度時速70キロで逢坂山を軽快に走ります。俺はこの京津線の走りを「史上最速の70キロ」と称えています。
与えられた条件の中をまっとうな技術でクリアした末に獲得した時速70キロは、誰がなんと言おうと速い。平行するJR東海道線の新快速は時速130キロだけど、それと同等以上に京津線の時速70キロは速いと思っています。

架鉄においてスピードというのはひとつの個性足りえるものかと思います。その速度に時速何キロを設定しようが個人の自由でしょう。自分のサイト内でその速度を自慢するなら勝手にやってろと思います。
ただ、自分の架鉄においては、最低限の礼儀を設定したい。直流1500ボルトで何の根拠もなく時速200キロオーバーの世界を作るような無作法はしたくないのですよ。200キロをやるならしかるべきシステムを構築したいわけです。
俺が200キロ運転をやるなら「速い200キロ」を目指したいんですね。それは、まっとうな技術でひとつひとつ問題をクリアし、それでいて適正な運賃をいただいた上で利益が見込める時速200キロ。物理を侵さずシステムに逆らわず、それでいてできることをやりつくした上での限界速度こそが、俺は「速い速度」だと思っています。何の根拠もなしに、少なくともモータ出力やギア比に見合わない200キロや300キロに俺は価値を見出しません。

加賀電はインフラを鑑みるに、106キロがいいところです。2,100アンペアの電流を2つのパンタで集電し、170スケの架線を傷めないよう経済的に走れる速度を選定したら106キロでした。121キロまで速度を上げるとパンタグラフのスライダーを変えなくてはなりませんし、架線の寿命が半分(本当に半分なんだわ!)になってしまいます。
だから加賀電の最高速度は106キロです。そして支線の架線は110スケなので65キロ。地方私鉄である加賀電にとってこれがいいところでしょう。
たかだか106キロで特急とかだっせー! と言いたければ言ってください。
誰になんと言われようと、加賀電の106キロは速いことは、俺自身がよくわかってますから。
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2012年Steadler社製造 [架空鉄道]

 いろいろ紆余曲折はありましたが、加賀電800形のイメージがなんとかまとまりました。
 ここまでのおさらい。
 2012年8月の小松空港延長において特急電車の運用が1本増えるのにあわせ、ダブルデッカーの3連を1編成投入することになった。いまさら鋼鉄製のヘビー級200形を投入するのもインテリジェンスが足りないので、アルミボディの新型車両を起こすことにしたところ、そんなカスタム車両を作ってくれるメーカーはすでに国内には存在しないのでした。
 少数車両をオーダーメイドで作ってくれる新潟トランシスはアルミボディのノウハウを持っていないし、アルナ車両は路面電車以外は「お得意様」しか作ってくれない。近車は近車で海外車両の受注でぱっつんぱっつん。日車は……名鉄とのしがらみがいまだに尾を引いていましてねえ……もう60年になるんだからいい加減和解しろよと思うのですが。

 で、加賀電は新潟トランシスのツテで海外にアンテナを伸ばした。すると小ロットのオーダーに対応してくれるメーカがまだ残っていたというわけでして、これは幸いとスイスのSteadler社に3両の発注を行ったという次第。これで電装品もブラウンボベリィだったりしたら面白いのですが、BBCはとうの昔にお星様。それに保守部門から「システムはできるだけ統一しようぜ」というプレッシャーもあるので電装は毎度おなじみMB印の三菱電機。1C4M2群のVVVFインバータにMB-5085A。200形の160キロワットに対して185キロワットにパワーアップしていますが、実際の出力は変電所の関係で160キロワット程度で運用する予定。歯数比は6.53で200形と共通。ただし軽量化の分だけ加速力は上がって3.0キロ/秒。最高速度は130キロ程度までは余裕ですが、認可速度は106キロなのでそれ以上出すことはありません。じゃあ歯数比は7.07でもよかった気がしないでもないな……。

 800形は車体こそSteadler社で製造した異端ですが、電装はきわめてオーソドックス。中小私鉄があまりさまざまなシステムを抱えることは得策ではありません。加賀電は基本VVVF+MB-5070と界磁添加励磁制御+MB-3020の2種類に統合しようとシステムをいじっている最中です。ちなみに駆動方式は30形の廃車で全車両がWNドライブとなりました。やったぜたえちゃん!
 それなのにああそれなのに、800形はMB-5085という新手がやってきたわけですから難しいものです。まあ、MB-5070もMB-5085もメンテの手順自体は同じなんで手間ではありませんが。

 スタイリングはデザインの結果ですが、いろいろと難しいものです……。


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普通の架鉄 [架空鉄道]

普通の架鉄という話をtwitterでちょこっとしました。自分とこの架鉄が普通かどうかという話です。こういう話の場合まず、俺は「普通とは何か」を定義します。その定義からどの程度はなれるかで、普通であるか否かをはじめて論ずることができると考えています。
このブログでは幾度も「自分のくだらない感性は捨てろ」という話をしています。あまたの人々が作り上げてきた子の鉄道というシステムを論ずるとき、たかだか数十年生きてきただけの脳味噌で語ることは危険である、少なくとも「他人に何かをわかってもらおう」というなら、感性なんてものは邪魔でこそすれ、必要なものではありません。

まず普通の基準とは何か。それは現実の鉄道会社が日常に行っている様であると俺は定義します。名鉄の営業規則が複雑なのには理由があります。それを調べれば名鉄の営業規則はそれなりに理にかなっているので「普通」です。
京急が先頭車を電動車で固めているのも、よく観察すれば理由が見えてきます。最高速度時速120キロで快速特急が走るのにも理由があります。だからこれも「普通」。

では実物の鉄道会社がやっていることはすべて普通かといえばそんなことはありません。たとえば小田急ロマンスカー・SE(3000形)。これは普通ではありません。小田急の日常は三菱電機の電装品と住友の台車です。それなのに3000形は東芝の電装品と近車の台車を装備しました。これは普通から外れていることです。3000形のコンセプトである「軽量化」をもっともなしえるメーカーを利害得失抜きで選択したのは明らかに普通ではありません。
システムもこれまでのボギー構造から連接構造への変化、軽量車体など、普通でないやり方をあえて組み込んでいます。これは小田急の基準から言っても「普通でない」といえるわけです。

普通とはなんでしょう? 漠然と考えたときありふれている事象をさすのでしょうか。ではその「ありふれたこと」とは鉄道事業者においてなんでしょうか。そこまで考えてはじめて俺は「普通の架鉄」を名乗れるのではないかと考えています。

さて、ここで改めて問い直してみましょう。
あなたの架鉄は「普通」ですか?
「普通」といえるだけの森羅万象を観察している自信がありますか?

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文章は若いうちが面白い [サイト運営]

ファイル数286、容量43.4メガバイト
現時点で加賀電はこんな容量になってます。俺が今まで起こした架鉄の中ではもっとも量的に多い架鉄となっています。これまでの俺架鉄と異なり、全体的にゆるゆるな設定になっているのが功を奏しているのでしょう。特殊仕様とは無縁の標準軌インターバン。加賀電はとても扱いやすい架鉄です。

さて、webアーカイブスで俺が8年前に作った架鉄「玉電鉄」がありました。
http://web.archive.org/web/20040407224840/http://www013.upp.so-net.ne.jp/tamaden/

今とやってることは大して変わらないんですが、文章は勢いがあるししょーもなくほとばしった部分があったりして読んでいてわれながら面白いんですね。8年前とはいえやっぱり文章が若いんです。若いからいい意味であまり考えずがんがん殴り書きしている。そのいきおいは今の俺にはとてもありません。
まあ、それゆえに燃え尽きるのも早かったのかなって気がします。

翻って今は加賀電をのんびりと更新しています。一応時系列でトピックス的なものをつらつらとやっているので当面ネタには困りませんが、やれPMSMだのやれ極性変換モータだのやれDDMだのといったものとは無縁で、インダクションモータとMBSA-1というこなれた技術で楽しんでいます。
自分自身はそれなりに楽しいなと思いますが、8年前の俺が見たらどう思うでしょうね。

「サマンサ耄碌したな」って言うかもしれません

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