SSブログ

400形があいている [架空鉄道]

加賀電のラインナップを見ると、100形、200形、300形、500形、700形、800形…とありますが、400形がありません。忌み番という概念を持たない加賀電で400形が抜けているのも不自然なので、400形を設定したいなと思っています。
基本的に加賀電は中小私鉄にあるまじきハイパワー電車でそろえています。勾配らしい勾配なんて地下線出口の34パーミルくらいしかありません。線形を悪くして車両をいじめることを生きがいにしている俺にしては珍しく、加賀電って線形がよいのですよ。標準軌だし50キログラムNレールだし、本線でいちばんゆるいカーブはR300だし駅間距離は最短が1.1キロだし……恵まれすぎです。
そんなゆるゆり線形の加賀電ですから、車両のほうを極限設計したくなるってもんじゃありませんか。
大馬力モータの1M2T、発電ブレーキ省略の超経済編成。400形の製造当初は地下線の勾配もありませんからこんな編成が成立するわけです。車両も高性能車は特急用の300形だけ。普通電車は70形とかそのへんのがうじゃうじゃいるのでα=2.0、最高速度90キロでも十分高性能という時代なら、155キロワットMB-3110モータ4台の1M2T編成なんてのもぜんぜんありなのです。

歴史的には加賀電の普通電車が1984年に性能を底上げ(α=2.5 最高速度106キロ)されるときに1M2T編成は放棄されてしまうのですが、そこに至る経緯を作るだけでも十分に楽しめるのではないかと思います。
ていうか、いくら線形がいいからって、中小私鉄がα=3.0、β=3.7、最高速度106キロというお金のかかることをするのはどうかと思いますが……。

そうそう、前のエントリで記した最高認可速度121キロへのアップは断念しました。
実際に最高速度をある鉄道事業者の電路保線部署に話を聞いたところ、架線の磨耗がハンパなく、保守費用の増大に見合うだけの利益が確保できそうにないことと、国土交通省へのデータ提出がとても加賀電レベルでは手に負えないことなどから、最高速度106キロのままでできる限りの運転技術で何とかすることにしました。
できない理由を並べるよりもどうやったら実現可能に持っていけるかを考えるのも架鉄の醍醐味ですが、制限を設けてその範囲内でベストを尽くすのも面白いものです。

なわけで、当面加賀電の最高速度は106キロとしておきます。

共通テーマ:趣味・カルチャー

クロスオーバーの可能性 [架空鉄道]

俺は基本的に他人と共同で架鉄を作ったり、相互乗り入れをすることはしません(カププラ架鉄を除く)。しかし、よその架鉄で許可がもらえればやってみたいことがあります。

それは、クロスオーバー

よその架鉄をいったん加賀電の世界に引き込んで、加賀電の視点でその架鉄を語るという遊びです。かつて俺がモナ電という架鉄をやっていたとき、モナ電の工場からの視点で北武急行電鉄の車両を語ったことがありますがそんな遊びです。
俺が他人の架鉄を見るときは、まず自分の立ち位置を決めて観察します。俺は車両にしか興味がありませんので、車両を見るわけですが、そのときの視点はサマンサの視点ではなく、俺の架鉄……今なら加賀電鉄白山工場の工員としての支店で観察するわけです。
別にスペックなんか書いていなくてもかまいません。情報の断片から想像するわけですから、必ずしも作者の意図に沿った解釈をする必要はないわけです。断片も集まれば輪郭になります。

個人的にはこのクロスオーバー、たとえば加賀電を他の架鉄の解釈で見てみたかったりもするのですが、なかなか難しい。ひとつはやはり他人の架鉄ですから相手に許可を求める必要があること。まあそれはなんとでもなりますが、もうひとつの問題は「時に相手のお気に入りをけなす結果になる」ということです。
俺個人は、架鉄車両のすべてが傑作だとは思っていません。営業製作や時代の流れによって、運用にそぐわない車両やオーバースペックの車両などがでてくるのは当然だと思っています。それは理由があっての不具合なのだから架鉄の表現としてなんら問題はないと俺は考えています。
しかしそれはあくまでも俺の考えであって、それを「けなされている」と考える人がいても不思議ではありません。つまり「他人の解釈に対し寛容でいられる管理人」の架鉄でないととてもできないんですよクロスオーバーって。

いろいろネタを考えてはいるんですけどね……こればかりは相手次第なんだな。



共通テーマ:趣味・カルチャー

車種統一は悲願 [架空鉄道]

10月からの新ダイヤをゴリゴリ書いているわけなんですが、何気に表題の言葉が頭をよぎります。「車種統一は悲願」という言葉を口にしたのは高松琴平電鉄の工場の方ですが、加賀電のような小さな私鉄で車種限定運用なんて組み込むとろくなことになりません。

加賀電の武蔵ヶ辻駅(以下武蔵)は島式1面3線という変則的な形になっています。図にするとこう
無題-24bitカラー-02.jpg

で、いろいろ工夫して折り返しを行うわけですが、200形がけっこう折り返しの際のネックになっています。武蔵と小松では折り返しの間に簡単な車内清掃を行うのですが、それゆえに折り返し時間に制約が生まれます。200形は6分、ほかの形式は3分の折り返し時間を必要とします。また、200形は原則として武蔵口の普通電車には入れないのでホームをふさがないように留置しなくてはなりません。さらに2両編成の電車は普通電車専用ですので、これも折り返しの順序を考えないといけません。
つまり、武蔵では来た電車がすぐ折り返し電車に入れられないことが頻発します。ひどいのになると3列車ぐらい留置線でやり過ごしてからホームに入って発車とかしなくてはなりません。中小私鉄ですから運転本数こそは大手私鉄の約半分、毎時12本ですが、それでも限定運用が絡むとどうにもならなくなるのです。
ダイヤ好きにはこの足かせがたまらなく楽しいのでしょうが、俺にとっては面倒なだけ。
車種統一はまさに悲願です。
名称未設定.jpg

共通テーマ:趣味・カルチャー

最高速度を15キロあげようかと思う [架空鉄道]

加賀電の最高認可速度は106キロですが、10月の新ダイヤで特急を15分間隔運転を行うため、単線区間(能美~白山間)を7分で走ることが必要になりました。現状8分運転ですから1分の短縮が必要なわけですが、106キロではランカーブをどういじっても7分での運行は無理。そこでこの区間に限って最高速度を121キロにアップすることにしました。
加賀電は新小松~金沢中心部の直行需要が旺盛で、毎時4本運転はなんとしても実現したい。しかし単線区間での入れ違いが発生するとスピードダウンになって商品価値が落ちてしまう。それを踏まえて毎時4本運転において以下の方法を考えました。

(1)特急を寺井駅に止めて、単線区間の通過区間を短くする
(2)能美~寺井間の1区間だけ複線化する
(3)能美~白山間の最高速度を121キロにする

お金がかからないのは(1)ですが、所要時間は2分程度延びてしまいます。(2)は無理なく運転本数が増やせますが、費用が莫大なうえ、実施までに時間がかかります
そういった理由で(3)を選んだわけですが、これにしてもすんなりいきません。
車両性能の面では、特急は200形限定とすれば問題ありません。問題は現状の閉塞割で121キロ運転が可能かどうかです。加賀電は4灯5現示の信号システムを採用しており、減速信号は70キロです。106キロから36キロ落とすのは問題ありませんが、121キロからだと50キロ落とす必要があります。能美~白山間の閉塞割は平均540メートル。辛うじて減速が間に合うということで可能となりました。これが白山~武蔵が辻間の閉塞割320メートルですと、YGFの現示を新設したり、YGを重ねるなどの対策が必要となり、コストがかかります。今回最高速度をあげるのが能美~白山間限定なのは閉塞割をいじらずに速度向上ができるのがこの区間だけだからです。

ちなみに能美~白山間で浮いた1分は他の区間の余裕時間にのせるので所要時間は24分のままの予定です。


次回架鉄用ネタ覚え書き [架空鉄道]

まだ加賀電をやめるわけではありませんが、ちょっと個人的にそそるネタを思いついたので覚書。

2015年、アップアップしていたJR四国がついに抜本的な改革を行うことになりました。それは「閑散区間の普通列車全廃」という大胆なもので、具体的には以下の区間は特急列車のみの運転とするというものでした。

予讃線:向井原~五郎~伊予大洲~宇和島間
土讃線:阿波池田~土佐山田間・伊野~窪川間
徳島線:全線
牟岐線:阿南~海部間
予土線:全線

で、これらの区間の特急通過駅に対しては、自治体なり民間事業者が第2種鉄道事業者として運行会社を設立し、JR四国に線路使用料金を払って普通列車を運行するか、バス転換するかを迫られました。
今回の舞台は予讃線の向井原~宇和島間を受け持つ運行会社が舞台。JR四国から譲り受けたディーゼルカー8両と、新造したディーゼルカー8両の計16両で(松山)~伊予大洲・伊予大洲~宇和島間を担当します。
運転系統は松山~伊予大洲間と伊予大洲~宇和島間で2分。原則直通列車はありません。
松山~伊予大洲間はJR四国から譲り受けた一般型ディーゼルカーで、松山と沿線をダイレクトアクセス。松山~向井原間の途中駅はノンストップで結びます。
伊予大洲~宇和島間は新造の振り子式ディーゼルカー8両で運行。特急「宇和海」の邪魔をせずに高速運転を行う「ディーゼルカー版ジェットカー」が活躍します。こちらは伊予大洲で「宇和海」と接続し、宇和島まで逃げ切るダイヤを基本としています(宇和島発は伊予大洲まで逃げ切って伊予大洲で「宇和海」と接続)。
俺の興味はこの振子ディーゼルカーにあるわけですが、目指す性能はこんな感じ。

加速力:3.3キロ/秒 減速力:4.5キロ/秒
最高速度:120キロ 曲線通過速度:本則+25キロ
伊予大洲~宇和島間を退避・交換なしで60分で走れる性能(現在約90分)を考えています
表定毒度は48.1キロ(実際は交換待ちが発生するのでこの時間では走れませんが)。駅間距離が比較的ある(平均3.4キロあんて国鉄標準よりやや短いくらい)とはいえ各駅停車でこの速度はなかなかきついものがあります。これをいかに低コストで実現するか。なかなか面白い題材だと思います。

ベース車両は当然JR四国の2000系。保守はJR四国に委託するのですから当然です。
DSCF3259.jpg
それにしても惚れ惚れするグッドデザイン。騒音がひどく乗り心地が悪いのは特急用として致命的ですが、そんなものは軽く吹っ飛ぶ高性能。フェラーリに静粛性を求めるようなもので、2000系が静々走るのは間違っているのです。最高速度こそ120キロですが、パワーバンドの広さで8000系電車にも引けを取らない俊足(実際宇多津~松山間では8000系よりも2000系のほうが速く走ります。まあ、単線で交換待ちとかあるので性能がすべてというわけではないのですが)。特に特急「宇和海」の走りはローカル線のそれではありません。耳ツンがどうしたといわんばかりに120キロで内子線のトンネルに突っ込む走りを味わうだけで、四国に出かける価値があると断言するほどです。
俺は銀電が嫌いで、しかもJRにはあまり興味がありません。でも、JR四国の2000系だけは別です。自動車に打ち勝つためにスピード以外のすべてを捨てたスーパーカー。俺がJRの現役車両でスーパーカーと呼ぶのは2000系とN700系だけです。そのくらいこのクルマにはほれ込んでいます。ですから予讃線ローカル列車運行会社で、2000系をベースにした新型気動車を入れるのは至極当然のことなのです。

それにしてもこの貫通型のスタイリング。かっこいいと思いませんか?
DSCF3394.jpg


共通テーマ:趣味・カルチャー

「リアルな架鉄」とはなんぞや [架空鉄道]

リアルな架空鉄道を否定するつもりはありませんが、俺の架鉄は一貫して「リアル」の優先度が極めて低くなっています。最低限の技術的整合性くらいはとりますが、それ以外の部分では基本的に「事実を基にしたフィクション」。現実的とかそういう部分から遠くなっても気にしないという考え方です。

IMGP1110.jpg
俺が電車を眺めるときは風景込みで見ることは以前にもお話しました(だから必ず風景をつける)が、そのとき俺は車両を「リアルだな~」という眼では見ません。「かっこいいな~」「美しいな~」「すげ~な~」とかそんな感じで見るわけです。つまり俺が電車を見るときに「リアル」という感情はないんですね。
だから架鉄を作るときも「かっこいい」「美しい」「すげ~」を考慮することはあっても「リアル」を考慮することはありません。なんとなれば俺はリアルであることを重要視していないからです。
架鉄は現実にないものです。リアルに近づけるというのはすなわち現実の何かに近づける作業だと思います。しかしそれは実物を研究すればおのずとその方向に行くものだと俺は考えています。したがってアプローチにおいてそれを重視する必要はなく、逆にそれを意識しているうちはロクなもんにならんなとすら思っています。

ところでジャンクションのデッドリンクを管理するため定期的に架鉄サイトを見て回ってるんですが、気になるのは「目で作ってる架鉄が多いな」って点です。目で作るとはどういうことかというと、目で見える部分をなぞってわかった気になっている。その奥に踏み込まない(=考えない)架鉄って意味です。無論それが悪いとはいいませんが、見ていて面白くない架鉄です。
ものが見えるというのは実に厄介なんです。ビジュアルってテキストに比べて情報量が格段に多いんです。だからその情報量で脳がおなかいっぱい(変な表現だな…)になってしまう。ほんとうは脳に届いたその情報を整理・吟味しなければ自分のものにならないんですが、そこに気づかない。

名称未設定.jpg
俺は車両でしか語れないので、床下機器で説明します。電車の床下を見るといろんな機械がぶら下がっています。上の画像で言うと右から元空気ダメ、リレーボックス、発電抵抗、界磁接触器となります。多くの架鉄は床下機器を四角や丸だけで表現しています。ごちゃごちゃした床下機器を見てその情報だけで満足しており、それぞれがどのような役割を持っているのかという考えに至らない。だから四角や丸、それ以上には見えない。
これをもう少し観察を進めると、機器類に文字が書いてあることがあり、そこからその機器の役割を知ることができる。役割がわかればどのような機器が配置されれば電車が動くかを理解することができ、適切な機器配置に近づいていきます。これが「リアルへの過程」の一例です。
車体にしてもそう。標準化車体です。ブロック鋼体です。A-TRAINです。これらはいずれも「目で見た情報」でしかありません。たとえばブロック鋼体ならどのようにSUSを接いでいるのかとかそこに考えがいたらなければ、見たままおかしな鋼板の接ぎかたになってしまうわけです。

それはリアルですか?

「リアル」を目指すことは(俺は興味ありませんが)悪いことではありません。
しかし目指す以上は目で見るだけでなく頭で考えましょう。いくら丁寧に側面図を描いても、観察なき図には何の価値もありません。すべてのパーツや取り付け寸法には意味があります。それを観察し、咀嚼し、考察し、適切に配置して初めて「リアル」といえるのではないでしょうか。
目は見えるものしか認識できません。
見えない部分を考察するのは、脳みそと知識(=センス)です。

共通テーマ:趣味・カルチャー

労多くして実が少ないのよ… [架空鉄道]

 俺のポリシーで、車両の背景にはどんな簡単なものでもいいから風景をつけるというのをルールにしています。なもんで、車両を作る合間にちょこちょこと情景も作っていますが、車両に比べて面倒な割にはせっかく作った部分が車両に隠れて見えないなんてこともありまして、なかなか悲しいものがあります。
 現時点で情景の最新作はこの野町駅ですが、駅って何気にテクスチャデータがけっこう必要なんです。たとえば看板、たとえば駅名表。しかしこれらを作りこむ意欲がわかないのが困りモノです。
 具体例を示しましょう。

 上の画像が現在製作中の野町駅ホーム。駅名標こそはテクスチャデータを作りましたが、看板は現状、ネットで拾ってきたものを適当に貼っているだけです。片面10枚、都合20枚の看板が設置できるわけですが、これ用のテクスチャを全部作る気力はありません。ていうか一生懸命作ったとしてもあくまでもこのページは電車が主役なので

 このように全部隠れてしまうわけです。これじゃあ作る意欲もわかないというものです。最初は「ほかの架鉄製作者に自分とこの架鉄グループの広告でも作ってもらおうかしらと考えましたが、それをやると加賀電のイメージとまったく合わないものでも掲載しなければならない。そうなるとまた俺の「ああ俺は一体何をやってるんだ病」が再発すること請け合いです。しかもせっかく作ったところで電車の陰に隠れてしまう。
 じゃあ広告看板なんて省略しちゃえとも思ったのですが、アングルによってはちらりと見えて、またそれがいい味になるものだから看板撤去というのも寂しいなと思ってしまうわけです。
 ポリゴンは便利ですが、一方で面倒なこともあるんですねこれが。

共通テーマ:趣味・カルチャー

プレタポルテの着こなし [架空鉄道]

架空鉄道ジャンクションなんて酔狂なものを作っている関係から、基本的に他人の架鉄は一通り目を通すのですが、俺の興味を引く架鉄……まあ、言い換えれば俺の興味を引く架鉄車両はほとんどありません。架鉄が好きな人は基本的に路線や会社ごっこが好きなのであって、車両に対しては見事に愛が注がれていないんだな、ってのが正直な感想です。
何が気に入らないのか。ありものの車両を何のアレンジもせずに入れているところだと最初は思っていました。特にRailsimやBVEなど、3Dの車両を使っているところに顕著なのですが、誰かのパーツを使いまわしてラインの色だけ変えて自社の車両でござい、としている架鉄。アレが見ていてものすごくがっかりする感じだったんですよ。
でも、自分で吊るしの車両しか使えないJR小名浜線をやってみてわかった。別にありものの車両をそのまま使うのは不愉快でもなんでもない。着こなしの問題なんだなと。

オーダーメイドの車両というのはその架鉄の色を出しやすいですよね。車体の大きさ、システムの設定などで路線の雰囲気や列車の走る感覚が表現できる。ギア比とモータの組み合わせだけでもかなりの設定ができるし、そこに全長が加わればもっと性格に味付けができます。あえて異なるシステムを混在することで現場の混乱を演出できたりもします。
一方でありものの車両を使うとそれが表現できない。なんとなればありものの車両にはもともとの設計思想があり、見る側としてはそれを想像してしまうからです。標準型車両を導入するにしたって、自社の規格に合わせるための多少の仕様変更や、標準型車両を導入するための整備・保守部門のシステムチェンジが通常行われるわけです。プレタポルテを着るにしても、自己流にアレンジをするようなものです。

俺にはその「着こなし」の部分が読み取れない架鉄が多い。JR(国鉄)由来のクルマと民鉄由来のクルマが共存するというのはかなり特殊な状況です。現場ではJRS規格の部品とISO規格の部品がごちゃ混ぜに管理しているのでしょうか。秩父鉄道みたいな例外もないわけではありませんが、通常は保守の現場が嫌がると思いますよそんなの。
プレタポルテの着こなしはけっこう難しいのです。なぜならそれぞれの製品(架鉄なら車両)には、設計者なりデザイナーの意図や思想がこめられている。それがぶつかり合わないよう、調和するように混ぜるためには、相応の知識(=センス)が必要です。服の着こなしができない人のことをセンスがないといいますが、それは服飾に対する知識がないから、どのように服を組み合わせていいかわからない。つまり服飾の知識がないゆえにセンスがないのです。
服飾にはドレスコードのようなルールがあります。それを守っている限りは大きくはずすことはないのですが、それを知らないからセンスがないのです。センスは知識です。
つまり、車両についての基礎的な知識がないから、寄せ集めの車両に何の違和感も持たないのでしょう。ああ、この人は架鉄車両に対するセンスがないな、と思いながら今日もブラウザのバックボタンを押す俺でした。

けなしてばかりなのもなんなので、センスのいい架鉄でも紹介しておきましょう。
北武急行電鉄は、詳細なスペックは何一つ語っていないにもかかわらず、とてもセンスのある車両を作り出しています。それは作者が時代時代のトレンドをよく観察し、それを車両のスタイリングに反映させているからなのです。
センスは知識です。知識は観察し分析することによってのみ得られます。
まずは自分のくだらない感性を捨てましょう。徹底的に歴史を観察し、主観を捨てましょう。
その結果つまらない車両ができた? 個性的じゃない? そう思ったならあなたの個性なんてその程度のものなんですよ。個性なんてのは伸ばすものじゃなくて潰すものです。潰しても潰してもなおにじみ出てくる自分らしさこそが個性です。
個性とは見識です。個性は観察と分析をしっかりやって知識を磨きそこからさらに考えをめぐらして見識となってはじめて生まれます。車両方面で「リアルな架鉄」を名乗るなら、そこまでやってから名乗ってほしいところです。


共通テーマ:趣味・カルチャー

スーパーディテール・シンドローム [架空鉄道]

架鉄に限りませんが、画材で良い絵が描けるわけではありません。フォトショップだからきれいな絵が描けるわけではないのです。Windows付属のペイントだって、使い方次第ではけっこうものが描けます。だから、画材よりもまず腕を磨け。実に正論です。
いや、さっきまでそう思っていました。でもね……

先ほど何気にハードディスクの整理をしているとき、加賀電のプロパティを開いたところ、2.8ギガバイトものデータ量になってました。フォルダの中はポリゴンとテクスチャのデータ。それだけで2.8ギガバイトですよ奥さん。ちなみに使っているソフトは、今も昔もmyshade。

俺が架鉄にポリゴンを使い出したのは玉電のときです。そのときのデータは65.9メガバイトでした。マシンの性能が向上するにつれ、アレもできるぜこれもできるぜとディテールを追加した結果がこの肥大化を招いたのでしょう。もちろん今でも俺は省略できるところはとことん省略しています。ワイパーやバックミラーは省略していますし、床下の配管もばっさりと省略しています。俺の架鉄における画像はイメージを伝えるものであり、細部を伝えるものではないのでこれでいいのです。
参考までに玉電時代と今の画像を比較して見ましょう。
玉.jpg
加賀.jpg
上が玉電、下が加賀電です。こうやって見ると同じツールにもかかわらずデータ量が格段に増えているのがわかります。当時のPCはI486-SX/33メガヘルツ。メモリは4メガバイトでした。今がCORE2DUO/2ギガヘルツ、メモリ2ギガバイトですからマシンスペックの差だけでこれだけ変わってしまうのだなと感慨深いものがあります。多分昔のPCに加賀電のデータ読み込ませたらオーバーフローで止まります。
まあ、当時はテクスチャを長方形以外のポリゴンに貼る方法を知らなかったし、自由曲面とかも使えなかった(今でもろくすっぽつかってないけど)し、論理計算とか知らなかったのでデータが重くなるような技法を使えなかったってのもあります。が、当時はこの画像で満足して痛んだよなあ俺……。

イラストは画材じゃない。正論だと思います。
しかしマシンパワーも相応に必要なんだな、とも改めて思った次第です。

しかし、しかしだな俺。
画材や技法よりも、10年前と発想がほとんど変わっていないってことを問題にすべきじゃあないのか?
進歩なし.jpg
通勤型展望車でダブルデッカーって、10年前に玉電でやってた(さらに前にはモナ電でやってた)じゃん……。

共通テーマ:趣味・カルチャー

せっかくのネタは長く使いたい [架空鉄道]

 架空鉄道において、新車投入や改良工事はその気になれば一瞬で終わります。それを何ら否定するつもりはありませんが、せっかくの美味しいネタをじっくり味わえなくてもったいないな、って気にもさせられます。
 そこで加賀電鉄では、寺井駅改良工事を1年かけてじっくり楽しもうかと思っています。新車導入、改良工事の進捗によるダイヤ修正、車両の改造、そして廃車の一連の流れを2012年3月までかけてじっくりやろうかなと思っています。

ステップとしては
(1)新型車両181号車投入
(2)寺井駅構内改良工事にともない本線との分断
(3)ダイヤ変更
(4)300形1編成廃車
(5)750型1両を改造
(6)30形廃車
(7)新型車両130形2両投入
(8)300形台2編成廃車
(9)構内改良完成

 こんなスケジュールを考えています。ね、これだけのネタを1回の更新で使いきるなんて勿体ないじゃないですか!

 で、181号車ですが、実にゴシックで俺好み。両運転台4ドアってだけでもしびれますが、さらに非貫通の運転台に無理矢理つけた貫通路。必然がスタイリングを崩す快感を、モデリングしながら味わいました。
 機械は生き物です。時代とともに変わるのは当然。理想から現実に添い寝する過程がかいま見える車両というのはなんとも魅力的です。


共通テーマ:趣味・カルチャー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。